結論としては、「このバージョンから正式対応」と言える公式リリースノートは見つかりません。ただし公開情報から確認できる下限はあります。
| 形式 | 公開情報から確認できる最古付近の動作確認 | 確度 |
|---|---|---|
.tar.xz | WSL 1.1.3.0、2023-03-12時点 | 高め |
.tar.zst | WSL 2.1.5、2024-04-11時点 | 中程度 |
.tar.xz は少なくとも WSL 1.1.3.0 で動いていた
GitHub issue #9778 では、報告環境が WSL Version 1.1.3.0 で、再現手順に wsl --import ... lunar-server-cloudimg-amd64-root.tar.xz が含まれています。問題は import 失敗ではなく、その後 VS Code から開いた際の不具合なので、少なくともその時点で .tar.xz を wsl --import に渡す運用は成立していたと読めます。(GitHub)
.tar.zst は少なくとも WSL 2.1.5 で動いていた
GitHub issue #6056 のコメントとして、2024-04-11 に「latest 2.1.5 で .tar.gz, .tar.xz, .tar.zst の import が動く」との確認報告が出ています。これは公式リリースノートではなくコミュニティ報告ですが、.tar.zst について見つかった確認情報としては有用です。(GitHub)
2020年時点では少なくとも明示対応ではなかった
2020年10月の issue #6056 は、wsl.exe --import / WSL Distro Launcher 系で .xz を使いたい、という要望として立てられています。本文では当時の想定が install.tar または gzip 圧縮の install.tar.gz / install.tgz であることに触れたうえで、XZ 対応を求めています。つまり、2020年時点では .tar.xz は少なくとも明示的・公式に前提化された形式ではなかったと見てよいです。(GitHub)
実装上は「import 側で拡張子を厳密に列挙している」わけではなさそう
現在の WSL ソースを見ると、wsl --import の処理は、通常 import の場合に .vhd / .vhdx を --vhd なしで渡したケースを弾き、ファイルを開いて RegisterDistribution に渡す構造です。wsl.exe 側で .gz / .xz / .zst を明示的に分岐しているようには見えません。(GitHub)
一方、--export 側には --format tar.gz, tar.xz, vhd, tar のような明示的な形式指定があります。つまり export は形式が列挙されているが、import は tar 系アーカイブとして渡してバックエンド側の展開処理に任せている、という理解が近いです。(GitHub)
まとめ
厳密にはこうです。
.tar.xzは 遅くとも WSL 1.1.3.0、2023年3月時点でwsl --importに使われていた。.tar.zstは 遅くとも WSL 2.1.5、2024年4月時点で動作報告がある。 ただし、どちらも「このリリースで対応開始」と明記した公式 changelog は確認できない。
したがって、WSL 2.5.x で初対応したわけではありません。特に .tar.xz はそれよりかなり前から動いていたと見てよいです。